この記事で分かること:ノーコード自動化ツール「Make」とLINE Messaging APIを組み合わせて、Googleフォームへの問い合わせが来るたびに、ChatGPTが自動生成した返信文案とセットでLINEに通知が届く仕組みを作ります。プログラミングは一切不要です。
設定後は手動チェック不要で、問い合わせを見逃しません。
所要時間の目安:読了15分+実際の設定作業40〜60分(LINE設定20分+Makeシナリオ組み立て30〜40分)。本記事の情報は2026年6月時点です。API仕様・料金は変動します。利用前に各公式で最新情報を確認してください。
目次
- 完成物と仕組みの全体像
- 必要なアカウント・ツール(比較表)
- STEP 1 ― LINE公式アカウントとMessaging APIを設定する
- STEP 2 ― Makeでシナリオの骨格を作る
- STEP 3 ― ChatGPTで返信文案を自動生成する
- STEP 4 ― LINE APIで自分に通知を送る
- テスト実行と確認チェックリスト
- 副業・受注への展開方法
- よくある質問(FAQ)
完成物と仕組みの全体像
この仕組みが完成すると、次の4ステップが自動で動きます。
- 来客がGoogleフォームで問い合わせを送信(あなたのビジネスの問い合わせ・予約フォーム)
- MakeがGoogleフォームの新規回答を検知(設定した間隔で自動ポーリング)
- ChatGPTが問い合わせ内容を読んで200字以内の返信文案を自動作成
- MakeがLINEにプッシュ通知を送信(問い合わせ内容+ChatGPT返信案がセットでスマホに届く)
オーナーはLINEを見てそのまま返信案を使うか、少し手直しして返信するだけ。1件あたりの返信作業が大幅に省力化されます。
重要:ChatGPT APIの利用にはOpenAI Platformへの課金設定(従量制)が別途必要です。短い文章の生成なら1回0.1円未満が目安ですが、利用前に最新の料金表を必ず確認してください。ChatGPTを使わず定型文だけ通知する構成(STEP 3をスキップ)も可能です。
また、LINE Notifyは2025年3月末にサービスが終了しています。2026年現在の正式な方法はLINE Messaging API(本記事で解説)です。
必要なアカウント・ツール(比較表)
4種類全て無料で始められます(OpenAI APIのみ少額の従量課金あり)。
| ツール | 用途 | 費用 | 準備の難易度 |
|---|---|---|---|
| Googleアカウント | 問い合わせフォーム(トリガー源) | 無料 | ★☆☆(既存のもので可) |
| Make.com | 自動化の中心(ノーコード) | 無料プランあり | ★★☆(アカウント登録のみ) |
| LINE公式アカウント + Developers | 通知の受け取り先(スマホLINE) | 無料 | ★★★(設定手順あり・本記事で解説) |
| OpenAI API | 返信文案の自動生成(任意) | 従量課金(0.1円/回以下が目安) | ★★☆(APIキーの発行のみ) |
Makeのアカウント登録はMake.com(無料で始める)から。(本リンクはアフィリエイトリンクです)
Makeの基礎用語(シナリオ・モジュール・トリガー)はMake自動化入門で先に確認しておくとスムーズです。
STEP 1 ― LINE公式アカウントとMessaging APIを設定する
LINEから通知を受け取るには「LINE公式アカウント」の作成と「Messaging API」の有効化が必要です。どちらも無料です。
1-1. LINE公式アカウントを作成する
- LINE公式アカウントの申込ページにアクセスし、「無料で始める」をクリック。
- スマホのLINEアカウントでログインし、アカウント名(例:「あなたのお店名 通知Bot」)・業種を入力して作成完了。
- 管理画面(LINE Official Account Manager)が表示されれば成功です。
1-2. LINE DevelopersでMessaging APIチャンネルを作成する
- LINE Developers Consoleにアクセスし、同じLINEアカウントでログイン。
- 「プロバイダー」→「新規プロバイダー作成」でプロバイダーを1つ作成。
- 「Messaging APIチャンネル」を選択 → チャンネル名・カテゴリを入力して作成。
- 「Messaging API設定」タブ → 「チャンネルアクセストークン(長期)」を発行してコピー保存(後で使います)。
1-3. 自分のLINEユーザーIDを取得する
MakeからプッシュメッセージでLINEに通知するには、通知先のユーザーID(Uで始まる文字列)が必要です。
- LINE Developersコンソールで作成したチャンネルのQRコードを自分のLINEアプリでスキャンし、公式アカウントを「友だち追加」。
- LINE Developersコンソールの「チャンネル基本設定」タブ → 「あなたのユーザーID」欄を確認してコピー保存。
詰まりどころ:「ユーザーIDが表示されない」場合は、先に公式アカウントを友だち追加してから再度確認してください。
STEP 2 ― Makeでシナリオの骨格を作る
Make.comにログインして、新規シナリオを作ります。
2-1. Google Formsモジュールをトリガーに設定する
- Makeダッシュボードで「Create a new scenario」→ 最初の「+」をクリック。
- 検索欄に「Google Forms」と入力 → 「Watch Responses(新しい回答を監視)」を選択。
- 「Add a connection」でGoogleアカウントを接続 → あなたのビジネスの問い合わせフォームを選択。
- 「Limit」を1〜5件に設定して「Save」。
ポイント:フォームにまだ回答がない場合、「Run once」でデータが取れません。テスト用にダミー回答を1件送信してから接続すると確実です。
2-2. シナリオのスケジュールを設定する
シナリオ画面左下の時計アイコン → 「Every 15 minutes」など実行間隔を設定。無料プランは最短15分間隔が目安です。本格運用なら有料プラン(5分間隔以下に設定可)が現実的です。
STEP 3 ― ChatGPTで返信文案を自動生成する
このSTEPは任意です。ChatGPT APIを使わない場合はスキップして、STEP 4で定型文を送るだけでも動きます。
3-1. OpenAIモジュールを追加する
- Google Formsモジュールの右「+」→ 「OpenAI(ChatGPT, Whisper, DALL-E)」→「Create a Completion」を選択。
- 「Add a connection」にOpenAI APIキーを入力して接続(OpenAI PlatformでAPIキーを発行)。
- 「Model」は
gpt-4o-miniを選択(コスト最小・日本語対応)。 - 「Messages」→「+Add item」→ Role:
userで以下のプロンプトを入力(カフェ向け例):
あなたは[ビジネス名]のスタッフです。以下のお客様からのお問い合わせに対して、200字以内の丁寧な返信文を作成してください。返信文のみを出力し、余計な説明は不要です。
【お問い合わせ内容】
(Makeのマッピングで「回答テキスト」フィールドをここに挿入)
プロンプト末尾の「フォームの回答テキスト」の部分は、MakeのUIでGoogle Formsモジュールの回答フィールドをドラッグ&ドロップでマッピングします。フィールド名はフォームの質問名によって変わります。
より汎用的なプロンプトの書き方や仕事への応用はChatGPT仕事プロンプト集も参考にどうぞ。
STEP 4 ― LINE APIで自分に通知を送る
4-1. HTTPモジュールを追加する
- OpenAIモジュール(またはGoogle Formsモジュール)の「+」→ 「HTTP」→「Make a Request」を選択。
- 以下の設定を入力する:
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| URL | https://api.line.me/v2/bot/message/push |
| Method | POST |
| Header 1 Name | Authorization |
| Header 1 Value | Bearer (チャンネルアクセストークンをそのまま貼る) |
| Header 2 Name | Content-Type |
| Header 2 Value | application/json |
| Body type | Raw |
| Content type | application/json |
4-2. 送信メッセージのJSONを組み立てる
「Request content(Body)」欄に以下のJSONを入力します。USER_IDをここに貼る の部分はSTEP 1-3で取得したユーザーIDに置き換えてください。
{
"to": "USER_IDをここに貼る",
"messages": [
{
"type": "text",
"text": "【新規お問い合わせ】\n(Google Formsの回答フィールドをマッピング)\n\n【AI返信案】\n(OpenAIの出力フィールドをマッピング)"
}
]
}
text の値の中で、MakeのUIを使って各変数(フォーム回答・ChatGPT出力)をマッピングします。\n は改行を表すので、問い合わせ内容と返信案の間に空行が入ります。
ChatGPTを使わない場合:OpenAIモジュールを追加せず、text の値をフォーム回答のみにすれば「問い合わせが来た」通知だけ届きます。まずこの形でテストするのがおすすめです。
テスト実行と確認チェックリスト
テスト手順
- Googleフォームにテスト用の問い合わせを1件送信する(例:「貸切について相談したいです」)。
- Makeのシナリオ画面右下の「Run once」をクリック。
- 各モジュールに緑のチェックマークがつくか確認。赤いバツマークはエラーで、クリックすると詳細ログが見られます。
- 自分のLINEスマホアプリにメッセージが届いていれば完成。
完成チェックリスト
- Googleフォームのテスト回答をMakeが検出できている
- OpenAIモジュールが返信文案を生成している(ChatGPT連携の場合)
- LINE APIのHTTPレスポンスが
200 OKになっている - LINEスマホアプリに通知が届いている
- Makeのスケジュールを本番用の間隔(15〜60分)に設定した
よくある詰まりどころと対処
| エラー | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| Google Formsで「No data」 | フォームに回答がない | テスト用の回答を1件送信してからRun once |
| LINE API エラー 401 | トークンが間違い・期限切れ | チャンネルアクセストークンを再発行して再設定 |
| LINE API エラー 400 | JSONの形式が不正 or USER_IDが違う | JSONの波括弧・引用符を確認、IDを再確認 |
| OpenAI エラー | APIキーが未設定 or 残高不足 | Platform設定でAPIキーと課金設定を確認 |
副業・受注への展開方法
「AIを使った業務自動化の代行」は副業として成立します。同じMakeシナリオを応用して、さまざまな業種に提案できます。
受注単価の目安(編集部の市場感・保証ではありません)
- シンプル通知のみ(ChatGPTなし):実働4〜6時間、受注価格2〜3万円が目安
- ChatGPT返信案付き通知:実働6〜10時間、受注価格3〜5万円が目安
- 月額保守(調整・障害対応):月1〜2万円程度
応用できる業種・シーン
- 美容室・整体院など予約・問い合わせが多い店舗
- 士業(司法書士・税理士)の初期問い合わせ自動化
- ECショップの注文確認・在庫変動の自動通知
- 不動産業の資料請求通知+物件提案文の自動生成
Makeを活用した自動化副業の全体像はAI副業ガイド、30日で動かす進め方はAI副業スタートプランで確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q. LINE Notifyは使えないのですか?
A. LINE Notifyは2025年3月末に終了しました。2026年現在はLINE Messaging APIが正式な代替手段です(本記事の方法)。
Q. OpenAI APIを使わずにChatGPTと連携できますか?
A. ブラウザのChatGPT(chatgpt.com)とAPIは別物です。Make経由で使うにはAPIキー(従量課金)が必要です。費用を避けたい場合はSTEP 3をスキップし、定型文の通知だけにする方法が現実的です。
Q. Makeの無料プランで動きますか?
A. 動作確認・少量運用は可能です。毎日複数件処理する本格運用には有料プランが現実的です。詳しくはMake入門記事の料金比較表を参照。
Q. Googleフォーム以外でも使えますか?
A. はい。Makeは1000以上のアプリと連携できます。Typeform・Jotform・WordPressのコンタクトフォームなどでも同様の仕組みが作れます。
Q. LINE公式アカウントは個人でも作れますか?
A. 作れます。副業での使用は規約上問題ありません(LINEの最新利用規約を確認してください)。
Q. Makeの自動化受託を副業にするには何から始めればいいですか?
A. まずこの仕組みを自分で動かして「実績」にすることです。身内の個人事業主に無償で作って渡し、フィードバックをもらうところから始めると受注につながりやすいです。
出典(最新は各公式で確認):LINE Messaging API公式ドキュメント / Make公式 / OpenAI Platform。本記事は2026年6月時点の情報です。API仕様・料金は変動します。