この記事で分かること:3Dのモデリングができない初心者でも、AIで3Dモデルを作り、Splineでアニメと「動き」を付けて、マウスで視線が追ってくる・スクロールでシーンの中に入っていく3Dサイトを作る手順を、クリック単位で解説します。完成イメージは当サイトの実物デモ 動く3Dサイト(視線追従+スクロール進入) です。本記事の情報は2026年6月時点です。
完成物と所要時間
作るもの:背景が動くヒーロー画面に、(1)マウスで視線(向き)が追ってくる、(2)スクロールでシーンの中に入っていく——この演出が付いた「動く3Dサイト」を作り、公開します。完成イメージは /demo/animated-3d です。
所要時間の目安:初回は2〜4時間(慣れれば1時間)。個人差があります。
目次
- 結論:モデリング不要で「動くサイト」は作れる
- 必要なもの(多くは無料)
- STEP1:画像を作る(テンプレ+基準+例)
- STEP2〜:画像→動画→AntiGravityで動かす
- つまずき対処
- 完成チェックリスト
- よくある質問
- (発展)本物の回せる3DはSpline
結論:モデリング不要で「動くサイト」は作れる
3Dサイトの壁は「モデリング(形を作る)」と「3D書き出しの有料化」です。本記事のメインの作り方は、その両方を回避します——3Dモデルを作らず、画像→動画→コードで“動くサイト”にする方法です。手順は STEP1(画像作り) から。
※「回せる本物の3D」を載せたい上級者向けに、最後に Splineを使う発展ルート も簡単に紹介します。
動くサイト全体の考え方は 動く3Dサイトの作り方 も参照。
必要なもの(多くは無料)
| 役割 | ツール | 無料でできること |
|---|---|---|
| 画像生成 | ChatGPT(または Nano Banana / Whisk) | 無料枠で数枚。大量・高解像度は有料 |
| 画像→動画 | Kling / Grok / Google Flow | 無料/低額枠で数本(公式直が安い) |
| サイト下書き | Google AI Studio | 無料枠(Gemini Flash)でコード生成 |
| 仕上げ(コード編集) | AntiGravity(または Claude Code) | 無料〜(プロンプトで実装) |
| 公開 | Vercel / Netlify / Hostinger | 無料枠で公開 |
各アカウントを作っておきます。通し題材は「AIデザイン会社のヒーロー画面(背景が動く+スクロール演出)」にします。
共通STEP1:画像を作る(テンプレ+基準+例)
どちらのルートでも最初は画像作りです。用途で「良い画像」の基準が違うので、下のテンプレの[ ]を自分の被写体に差し替えて使ってください。
メイン:サイトのヒーロー画像の基準
サイトの主役になる1枚。参考デザイン(Dribbble等のスクショ)を渡すと精度が上がります。
テンプレ:この参考画像と同じ雰囲気で、[被写体・テーマ]のヒーロー画像を作って。テキストは入れない。背景は[純黒/ダーク/指定色]。中央に主役を配置。Web用に16:9・高解像度。
レイアウトの下地が欲しい時は この参考画像から、装飾要素を全部消して、テキストと背景だけを残して中央に配置して(AIでサイトを組み直す下地にします)。 と頼みます。
(発展)3Dモデル化しやすい画像の基準
3D変換ツールが形を読み取りやすい画像にします。基準は①被写体は1つ ②白(無地)背景 ③3/4の斜めアングル ④均一な光・影は弱め ⑤単色寄りで形が明確 ⑥テキスト/ロゴなし。
テンプレ:3Dモデル化に使う参照画像を作ってください。被写体:[被写体]。3/4の斜めアングル、真っ白な背景、均一なスタジオ照明、影は弱め、中央に配置、形がはっきり分かる単色寄りの質感、テキストやロゴは入れない。
[被写体]の差し替え例:
- マスコット系:
丸くて可愛いロボットの顔のマスコット - 商品系:
シンプルな化粧水のボトル(透明な容器) - 食品系:
つやのあるドーナツ1個 - 動物系:
デフォルメされた柴犬のフィギュア、立ちポーズ - 抽象オブジェ:
なめらかな曲面の抽象オブジェ(彫刻風)
コツ:一発で完璧を狙わず「もっと正面寄りに」「背景を完全な白に」と追加指示して寄せます。複数アングルが欲しいときは、ChatGPTをThinkingモードにして「正面・横・斜めを別々のファイルで出してください(separate files)」と頼むと、1枚にまとまらず分けて出してくれます(3D化の精度が上がります)。画像プロンプトの考え方は プロンプト集 も応用できます。
STEP2〜:画像→動画→AntiGravityで動かす
3Dモデルを作らず、画像→動画→コードで動くサイトにします。海外の制作者がよく使う、つまずきにくい本命の手順です。
STEP2. 参考デザインを集める
Dribbble で「過去1ヶ月」の流行デザインを探し、好みの1枚をスクリーンショット。AIは参考なしだと凡庸になるので、必ず参考を用意します。
STEP3. 画像を作る
STEP1の「ヒーロー画像の基準」テンプレで、参考スクショを渡してヒーロー画像を生成(ChatGPT / Nano Banana)。画像が切れたら Figma の拡張(Extend)で広げられます。
STEP4. 画像を動画にする(ループ)
画像を Kling 3.0 / Grok / Google Flow に入れ、animate this, make it noticeable, perfect loop for website で5〜7秒のループ動画に。最初のフレームと最後のフレームを揃えると継ぎ目が消えます。Klingは公式サイト直の方がAPIより安いです。
STEP5. Google AI Studio で下書きを作る(無料枠)
- Google AI Studio を開き、Buildで作りたいサイトを説明。
- 参考スクショを渡し「
このヒーローセクションを完全に再現して。背景は純黒#000000、画像は入れず、スクショは要素の配置の参考に。テキストは自分の内容に、文字数は同じに(デザインを崩さない)。」 - できたらコードをZIPでダウンロード(Gemini Flashなら無料枠で可)。
STEP6. AntiGravity で仕上げる
- ZIPを解凍し、フォルダを AntiGravity にドラッグ → 「
localhostに追加して」でプレビュー。 - assetsフォルダにB-3の動画を入れ「
この動画をヒーローの背景にして、ループ、音なし」。 - スクロール演出:「
スクロールで2セクション目のテキストが1文字ずつ出るFramer Motionアニメを追加。背景動画はsticky(固定)にし、2セクション目で徐々にフェードアウト」。 - マウス追従や画面遷移も同様に文章で指示(「
next projectを押すと素敵なトランジションで別ページを開く」)。ローダーは motionsites.ai の無料プロンプトを貼る手も。 - モバイル:「
モバイルのみ動画を上・内容を下にして下端にグラデ。デスクトップは変えない」。
STEP7. 公開する
AntiGravityから GitHubへpush → Vercel / Netlify / Hostinger でデプロイ。独自ドメインも接続できます。これで“動くサイト”が完成です。ここまでがメインの作り方。本格的な「回せる3D」が欲しい人だけ、次の発展編へ進んでください。
(発展)本物の回せる3DはSpline
ここからは上級者向けのオプションです。マウスでグリグリ回せる“本物の3Dモデル”を載せたい場合は、Splineを使います(必須ではありません)。形はAIに作らせ、Splineは“動き付け”に専念します。
A-1. 画像をAIで3Dモデルにする(無料ツールでOK)
- 画像→3D変換ツールを開き、「Image to 3D」を選ぶ。
- 共通STEP1(ルートA用)の画像をアップロード→生成(数十秒〜1分)。
- 書き出しは「GLB」形式(Spline相性◎・Web向き)。大きいファイルは後で圧縮。
⚠️ つまずき注意:Tripo / Meshy は高品質ですが、GLBの書き出し(エクスポート)が有料化していることがあります。初心者はまず無料・透かしなし・GLB書き出し可の次を使うとつまずきません。
- Upsampler:サインアップ不要・透かしなし・毎日の無料GPU枠・GLBダウンロード・商用可。
- Hunyuan3D:GLB/USDZ・PBR対応・商用可(モデルの再配布は不可)。
- TRELLIS.2(Microsoft・オープンソース):GLB+PBRを無料で。
ツールの使い分け(形状精度/テクスチャ等)は 画像→3Dの比較記事 にまとめています。
A-2. Splineにモデルを入れて、ライトと質感を付ける
- Splineで新規シーンを作成。
- STEP2のGLBファイルをキャンバスにドラッグ&ドロップ(または左上メニュー→Import)。SplineはGLB/GLTF・FBX・OBJ・STLを読み込めます。
- 真っ黒に見えたらライト不足です。オブジェクトを追加メニューから Ambient Light(環境光) と Point/Directional Light を足すと見えるようになります。
- 質感を足すなら、対象を選び Material パネル→+→Matcap レイヤー。matcap画像はChatGPTに「
金属(brushed aluminum)のmatcap球、中央に球、背景なし、文字なし、正方形」と頼んで作れます。 - カメラの角度・オブジェクトの位置を整える。
A-3.アニメを付ける(State→Transition)
Splineのアニメは「状態(State)を2つ作って、その間を行き来させる」のが基本です。
- オブジェクトを選択し、右側の States パネルの「+」を押す。これで Base State(初期状態) と 新しいState ができます。
- 新しいStateを選んだ状態で、オブジェクトを回転・移動・拡大する(例:Y軸に少し回す)。Base Stateに戻すと元の姿に戻ります=この差分が「動き」になります。
- Events パネルでイベントを追加(例:Mouse Hover や後述の Scroll)→ Transition アクションを追加し、遷移先のStateを指定。
- Transitionの設定:Duration(秒)=動く速さ、Delay=遅延、Loop(Infinite)=繰り返し、Cycle=元に戻すか。ゆっくり常時回す“浮遊感”は Duration長め+Loop Infinite+Cycleで作れます。
A-4.マウスで視線が追う(Look Atイベント)
「キャラがこっちを見つめる」演出は Look At イベント一発です。
- 視線を向けたいオブジェクト(顔、または“目”のパーツ)を選択。
- Events → 新規イベント → Look At を追加。
- Target(ターゲット)を「Mouse(マウス)」に設定。これでカーソルの方向を向き続けます。
- 目だけを別パーツにして Look At すると、より自然な「視線追従」になります。動きが急なら追従の強さ/速度を調整。
カーソルを追いかける(位置に寄ってくる)動きが欲しいときは Follow イベントも使えます。
A-5.スクロールで中に入る(Scrollイベント)
「スクロールするとシーンの奥/中に入っていく」は Scroll イベント+カメラ(またはオブジェクト)のStateで作ります。
- カメラを前進させた(被写体に近づいた)状態を State として作る(STEP4の要領でカメラ位置やオブジェクトのスケールを変える)。
- そのオブジェクト/カメラに Scroll イベントを追加 → Transition で“近づいた”Stateへ。
- Start At=ページ上でアニメを開始する位置、End After=開始位置から何pxスクロールで最終状態に到達するか、を設定。スクロール量に動きが同期します。
- 「奥から手前へ突入」「パーツが分解して中が見える」など、Stateの作り方しだいで演出が変わります。
※さらにフォトリアルに「実在の空間へ入る」表現が欲しい場合は、写真から3D空間を作る Luma AI(Gaussian Splatting・無料)のフライスルーを使う手もあります(別アプローチ)。
A-6.サイトに埋め込む&軽くする
- Splineで右上 Export → Code Export。用途に合わせて選びます。
- ノーコード(Webflow/Wix/Framer等):Viewer のスクリプト(embedコード)をコピーして、サイトのHTML埋め込み欄に貼る。
- React / Next.js:
npm i @splinetool/react-splineを入れ、Splineコンポーネントに公開URLを渡す(当サイトもこの方式に対応できます)。 - 軽量化(重要):GLBは事前に圧縮、ライトは使いすぎない、重い見た目は動画(WebM)として書き出して背景に敷くのも手。スマホでの読み込みも必ず確認。
埋め込み後の“動くサイト”の仕上げ(背景動画+マスク、スクロール連番、マウス追従UI)は当サイトの実装デモ /demo/animated-3d(作例ページ)で実物を確認できます。受注して納品する流れは LP/HP制作プラン へ。
つまずき対処
- モデルが真っ黒:ライト不足。Ambient Light+Point Lightを足す。
- ボタンが押せない:3Dが画面全面を覆っている。埋め込み側でz-indexを調整し、3D要素に
pointer-events: none(クリック不要なら)。 - 重い・スマホで止まる:GLB圧縮・ライト削減・テクスチャはWebP・動画化(WebM)・遅延読み込み。
- 形がいまいち:STEP1の画像を「白背景・3/4アングル・単色」で作り直す。マルチビューで精度UP。
- Splineロゴが出る:無料プランの仕様。気になるなら有料、または動画書き出しで回避。
完成チェックリスト
- ☐ ChatGPTで3D化しやすい画像(白背景・3/4・単色)を作った
- ☐ Tripo/MeshyでGLBモデルを書き出した
- ☐ Splineに読み込み、ライトで見えるようにした
- ☐ State→Transitionで基本アニメを付けた
- ☐ Look Atで視線追従、Scrollで進入を付けた
- ☐ Code Export(Viewer or React)でサイトに埋め込んだ
- ☐ スマホで表示・動作・重さを確認した
よくある質問(FAQ)
本当にモデリングなしで作れますか?
はい。メインの手順では3Dモデル自体を作りません(画像→動画→コード)。発展編のSplineでも、形はAI(画像→3D)に作らせ、Splineは「動きを付ける」「Webに載せる」に絞るので、ゼロからモデリングする必要はありません。
全部無料でできますか?
入門は無料枠で可能です。商用利用・高解像度・Splineロゴ消し・画像/動画の大量生成などで有料が必要になります(2026年6月時点・各公式で確認)。
「画像+プロンプトを入れるだけ」で全部できるサービスは?
近いのは Spline AI / Omma(自然言語で3D+スクロール+カーソル操作を付与)、Dora AI(プロンプトで3Dサイト生成)です。本記事の手順を理解しておくと、これらの出力も自分で微調整できます。
出典(最新は各公式で確認):Spline Look At / Spline Transition / Upsampler(無料image-to-3D) / Hunyuan3D / Google AI Studio / motionsites.ai。ルートBの工程は海外制作者の手法(GPT Image+AntiGravity)を整理したものです。手順・仕様・料金はバージョンで変わるため、本記事(2026年6月時点)は考え方の理解を主眼にしています。